ミス首都大学東京 高井ひろえの「読んだ、観た、感じた!」
プロフィール:
ミス首都大2014 ミス着物賞 DHC賞 キレイモ賞
ミスキャン時から毎日ブログを書き続け、女子大生として等身大の思いを伝えてきました。
今回ご紹介する作品は、、、、きっと涙してしまう人もいらっしゃるのではないでしょうか。
どうやって、与えられない人が、、与えられるようになるのか、分かった気がします。
第6回 「グラントリノ」
2008年のアメリカ映画で、監督、プロデューサー、および主演はクリント・イーストウッド監督です。
イーストウッドは本作を俳優業最後だといいました!
公開時のインタビューにて、今後は監督業に専念して俳優業から引退すると明かし、
「監督だけをやっていこうと、ここ何年も思ってきた。
でもこの“グラン・トリノ”の頑固な元軍人役にはひかれたんだ」と語っています。
どんな想いを込めて作り、そして演じきったのでしょうか・・・・。
ざっくり説明すると(#^.^#)
朝鮮戦争からの帰還兵である主人公ウォルトは、
最愛の妻を失い、その頑固で偏屈な性格から子供や孫から煙たがられてる。
さらに、ウォルトの住んでいるところはアジアからの移民が増え、
近所付き合いもなく、孤立した状態です。
庭の芝を刈り、家の手入れをし、限られた友人と悪態を付き合う。単調な毎日。
そんなウォルトに、事件が起きます!
ウォルトの一番の宝物である愛車、「グラン・トリノ」が、近所の少年タオに盗まれようとしていたのです。
そのときは不良グループが真面目なタオに命令していたのですが、ひょんなことからタオを不良から助けてしまう。
ここからウォルトがタオを一人前の男になるために父親のように教えてゆきます。
しかし、ウォルトは喀血をし、命が長くはないことを知る。
しかし、それよりも早く、タオとタオの姉との交流で心を開きつつあるウォルトに
運命のときは迫りつつあった・・・。
序盤にただよう哀愁に耐えられない
はじめ、ウォルトの孤独ぶりは見ていて胸が痛かったです。
きっと、ウォルトが死んでも、誰も悲しまないのではないか。。
家族はたまにウォルトの元へ遊びに来たかと思えば、
老人ホームに入り、家から出たらどうだと促す。
妻を失い、朝鮮戦争で心に深い傷を負い、
老いてしまったウォルトのことを、誰も求めようとしない。
自分が勤めていた自動車産業は衰退し、
ウォルトの人生も斜陽に見えた。
ただお迎えを待つだけの生活。
生きる意味がわからないけれど、家族の言いなりになって都合よく扱われるのもプライドが許さない。
不幸というのも申し訳ないですが、何かの幸せがめぐってきたらいいのにと思ってしまいます。
ウォルトはただ、今まで流れにまかせて、そのままに生きてきたのです。
徴兵されたら命令されるがままに戦い、人を殺し、
会社に勤めると真面目に定年まで働き、
流れに逆らうことなく、生きてきた。
流されたウォルトが行き着いたのは、1人孤独な余生。
運命は残酷だと思っていました。
心温まるタオとの出会いと交流
そんなときにタオやタオの姉との出会いはすごく心温まりました。
不器用で愛情表現が下手ながらも、
父親のいないタオのことを心配し、ちょっと乱暴にかわいがるところがほほえましいです。
タオも引っ込み思案なりに、克服しようとがむしゃらにウォルトについていく。
ウォルトはタオのお家でのパーティに呼ばれたり、贈り物をたくさんもらったり、
ウォルトの家族とは違う、裏のない、本当の愛情に触れてゆく。
今まで移民のことを馬鹿にしてきたウォルト。
そして、他人が庭に入るだけで銃をつきつけたり、
自分の宝物はがっちり誰にも触れないように抱え込んできたウォルトは一変!
タオにお仕事を紹介したり、道具をかしたり買い与えたり、
最後には、タオがデートするときに、一番の宝物、グラントリノに乗るといいなんて言うんです!
孫がウォルトにお願いしても全く相手にしていなかったのに・・・。
本当の愛情を受け取ったときの人間って、本当に変わるんだなあと実感しました。
一切与えようとしなかったウォルトは、与えられる人間になったんです。
与えろ与えろと言われると与えないけど
与えられて、与えられて、とされると、与えてしまう。
与えて与えるのやりとりって、すごくあったかいなあと思いました。
そして、ウォルトが最後にとった行動は、
人間のあたたかさを信じることができたという証明だったのかもしれません。。
結末までに完全に感情移入してしまったので涙がとまりませんでした。
ぜひご覧になってください(#^.^#)
(DVD情報)
販売元: ワーナー・ホーム・ビデオ
- DVD発売日: 2009/09/16
- 時間: 117 分
- ASIN: B001V9KBSA