ミス首都大学東京 高井ひろえの「読んだ、観た、感じた!」
プロフィール:
ミス首都大2014 ミスオブミスエントリー中
ミスキャン時から毎日ブログを書き続け、女子大生として等身大の思いを伝えてきました。
第11回「ゼログラビティ」
アルフォンソ・キュアロン監督による、宇宙を舞台にした2013年の映画です。
8月27日より開催されたヴェネチア国際映画祭のオープニング作品に選ばれたそうです(*^^*)
さらに、2014年春発表の第86回アカデミー賞で、
A・キュアロン監督への監督賞や、視覚効果賞、撮影賞など、同年最多の7部門を受賞したことで知られています!
ざっくり説明すると(*^^*)
ストーン博士と、宇宙飛行士マットが、スペースシャトルの船外で作業をしていると、
ロシアが自国の人工衛星を爆破したことによって発生した破片が、ストーン博士たちのスペースシャトルに向かって
ものすごいスピードで飛んできます!
その勢いは、1人の宇宙飛行士の頭を貫通して即死に至らせるほど・・・
やがて、ストーン博士たちを無重力の世界に放り出してしまう。
残された酸素はわずか2時間分。
地球との交信も断たれた中で、2人はどう地球へと生還するのか?!
まるで自分が宇宙にいるかのようなリアルさ
まずこの映画で特徴的なのは、長回しのシーンが多いということ!
宇宙遊泳の際など、自分の時間と映画の中の時間が一致するため、
まるで自分が登場人物になって体験しているかのようなリアルさがあるのです!
なので、破片がスペースシャトルに当たって、その勢いでスペースシャトルがものすごい速さで回転し
ストーン博士が振り回されているシーンでは、見ているだけなのに本当に目がまわりました(`´;)
さらに、登場人物たちが宇宙を浮遊している姿を表現するたに、カメラアングルや照明の具合をコンピュータで制御する「ライトボックス」システムや
遠隔操作が可能な12本のハイテクワイヤシステム、
そして金属製の円錐に似た部分で人間の下半身を固定させ、さまざまな速度・角度で人間の体を回したり傾けたりすることを可能にした「ティルト・プラス装置」といった
様々なシステムが導入されています!
ほとんどが無重力空間の中でのシーンなので、
ほんとうに宇宙で撮影したかのように見せる工夫がされています!!*^^*
まさに、スクリーンと現実世界の境界がなくなる、体感型の映画なのです(*^〇^*)
逆境に立たされたからこそ、生への渇望
実は、ストーン博士には幼い娘がいました。ですが、交通事故によりそのたった1人の存在を亡くしてしまい
自分が生かされていることに疑問を感じていました。
そんなとき、ストーン博士は死ぬか生きるかの逆境に立たされます。
無重力空間に宇宙服1つで投げ出されたストーン博士は、
もはや無力な存在です。
酸素がなくなるタイムリミット、せまりくる宇宙ゴミ、色んな危険にさらされながら、
ストーン博士は危機一髪のところで命をつなぎ続けます。
本当に、少しタイミングがずれていたら、死んでしまうほどぎりぎりのところで生き延びるのです。
しかも、途中から助けてくれる人は誰もいなくなってしまい、1人ぼっちで乗り越えなければならなくなります。
私がこの立場だったら、孤独と恐怖でどうにもできなくなっているかもしれません・・・。
ですが、ストーン博士の表情にあったのは、恐怖ではなく、ひたすら、生への渇望でした。
人間は、ぎりぎりの状態になると、恐怖を感じなくなるのかもしれません。
ストーン博士はひたすら前を向いていました。どうしたら生き延びることができるのか、どうしたら地球へ帰れるのか。
それだけで頭がいっぱいなのです。
ストーン博士の立場を考え、感情移入し、恐怖を感じている私達に対して
恐怖の中に放り込まれたストーン博士は、恐怖を感じていない。
恐怖は、想像の産物なのかもしれないと思いました。
(DVD情報)