ミス首都大学東京 高井ひろえの「読んだ、観た、感じた!」


プロフィール:

ミス首都大2014 ミスコンの全国大会ミスオブミス エントリー中
ミスキャン時から毎日ブログを書き続け、女子大生として等身大の思いを伝えてきました。


第26回 盲導犬クイールの一生


「またかぃ・・・」またです!!!!!今回も、前回と同じ作品を紹介させていただきます(*^^*)
本当に大好きで、涙が止まらない、思い入れの深い作品なんです。最近久しぶりに見て、嗚咽しました。
1回では済ますことができません・・!!
この作品は一度感情移入して文章を書いたらどこまでも永遠に書き続けられてしまうので、淡々と書きましたが、
今回は一押しのシーンに、ありったけの気持ちをこめて書いてゆきたいと思います!

ひとつ注意があります。
観ると絶対泣けます。映画で泣きたいひとは、ネタばれなので絶対にこの記事を見ないで下さいね(>_<)
「日本映画なんておもしろくないよ〜〜〜。アクションもつまんないし〜。」と言っていた海外の友人たちが
それはもう、ぼろッぼろッと涙を流して観ていました。そしてひと言。「日本の映画素晴らしい!!」
海外の友人の考えをひっくり返した、恐るべきクイール。ワン!

クイール上映後、クイールに対抗するかのように、「HACHI〜約束の犬〜」が制作されたくらいなので。。。
クイールの感動は海をこえるほど深いものなのでしょうね!

ストーリーの大まかな流れは前回の記事を参照してくださいね(*^^*)→CLICK&GO

クイールの経験する別れ


クイールは盲導犬としてのトレーニングを積み、盲目の方が安全に歩けるようにサポートできるくらいに頭がいいです。
でも、人間の言葉が全て理解できるわけではないし、自分がどういう立場で人をサポートしているのかということもわかりません。
もちろん、人との別れや環境の変化は何なのか、理解できません。

盲導犬になるには、生みの親(犬が生まれるお家)、育ての親(赤ちゃん犬を1歳くらいまで育てるお家。パピーウォーカーがいます。)
そして、盲導犬を訓練する施設に通い、最後に盲導犬を必要とするパートナーと出会います。

生みの親との別れの際は、まだすごく幼いので環境の変化はよく分からないと思いますが、
育ての親との別れは、見ていて胸が締め付けられるほど、つらいものです。
クイールは、育ての親にのびのびと育てられ、たくさん愛情を教わりました。
芝生の生えた庭は、クイールの遊び場。お父さんにはぬいぐるみのプレゼントをもらったり、
お母さんには散歩のときに、外の世界のことを教えてもらったり、
家族のそばにはいつもクイールがいました。
歩きたい方向に歩ける。いつでも甘えられる。
夫婦役の、香川照之さんと寺島しのぶさんの演技が、ほんとうの家庭のようなあったかさで、良い味をだしています;;

ですが、1歳の誕生日を迎えた時、クイールは盲導犬訓練所に引き取られます。

トラックの荷台に乗せられて、見送る夫婦を、さみしそうな目で、でも大人しく見つめています。
どんどん夫婦が遠ざかってゆく・・・。「どうして2人は乗らないの?」
そんな目なのです。

訓練所では、やや狭いケージがクイールのお家。
歩きたい方向に歩ける。甘えたいときに甘えられる。
そんな生活とは対極にある新しい環境。

「盲導犬になるために、ここに来たんだよ。」
そういう言葉が理解できたら、安心できるかもしれませんが、
クイールは何もわからないので、
大好きなひとたちから離されて、突然変な所に誘拐されてしまった!帰りたいよ!と思ったのではないでしょうか。
何もわからないまま、そして夫婦も、何でお別れするのかを伝えられないまま・・・というのが、とてももどかしく、さみしいのです。

クイールの素直さ

でも、クイールは、自分の置かれている環境が分からないからこそ、本当に素直です。
夫婦から教えてもらったことは、「人を信じること」。
クイールの根底には、人が好きだという揺るぎない気持ちがあるんです。

この訓練士さんも、面倒見がよくて優しくて、でも肝心なところでは厳しく怒れる。素敵な人なんです!
「カーブだから止まるんだよ!」と言う訓練士さんに対して、
クイールがきょとんとした顔で、「ハッハッ」と、何故か笑顔で息をしている。
つまりあまり聞いてない状態でも、根気よく根気よく、丁寧に教え込んでいくんです。
訓練士さんのこの我慢強さはなかなか得られないと思います。
訓練士さんとクイールが、いろんな障害を乗り越えて、二人三脚で成長してゆく姿には心動かされます.....。


不器用な渡辺さん


クイールのパートナーの渡辺さんは、ちょっと不器用で、頑固な人です。
渡辺さんは、最初はクイールに誘導される事を拒んだり、
クイールとパートナーになってからも、クイールの誘導を聞かなかったり、ブラッシングでは、クイールの身体を力いっぱいごしごししすぎてクイールもちょっと迷惑顔(笑)
そして、声も200m先まで届くのでは?!というくらい大きいので、犬にとってはちょっと怖い相手だと思います。

ですが、クイールは、やはり素直さを生かして、渡辺さんはもちろん、犬の苦手な渡辺さんの奥さん、息子さんや娘さんにも気に入られてゆきます。

クイールとなかなか息の合わなかった渡辺さんですが、クイールが家出(笑)したときには、誰よりも心配してしまうほど、クイール大好きになってしまうんです!

苦労して、お互いに大切な存在になっていったからこそ、渡辺さんとクイールのお別れは辛いです。。。
渡辺さんは入退院を繰り返すため、クイールのパートナーではいられなくなってしまったのです。

クイールは訓練所に戻り、ずっとずっと渡辺さんを待ち続けました。
すると・・・・渡辺さんが現れたのです!
懐かしそうに、そして確かめるように、クイールにハーネスをかけます。
ですが、あの豪快な渡辺さんが嘘のように、その足取りは弱々しく、重くなっていました。
クイールと一緒に歩けた距離・・・・・たった30mでした。
それほどまで、病気は悪化していたのです、
ですが、「もう一度、クイールと歩きたい」
その一心で、病院まで、やってきたのです。
渡辺さんとクイールを繋いでいたものが、いかに強かったのかを思い、思わず・・・・涙しました。

晩年のクイール

ここは、もう涙なしには見られません。
ぜひDVDで見ていただきたいです・・・・。

クイールは、老いた後、パピーウォーカーの夫婦のもとに戻ります。

クイールは、一生をとおして、がんばってきたのです。
人の愛情を、心から信じて、そして自分も愛情を注いできました。

ですが、、、あんな事故が原因で死んでしまうなんて・・・・。

最後に、夫婦がクイールにかける、温かい言葉。
まるでクイールにずっと寄り添ってきたかのように、、クイールのがんばりをわかっています。 

最後に目を閉じるまで、クイールはたくさんの別れと出会いを経験しました。
そしていろんな人と幸せな気持ちを分け合ってきました。
一匹の犬の命の尊さを感じた一作品でした。。!


(DVD情報)

  • 販売元: 松竹
  • DVD発売日: 2004/09/25
  • 時間: 100 分
  • ASIN: B0001A7D1S
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