ミス首都大 高井ひろえの読んだ!観た!感じた!

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第27回 映画 孔子の教え

今回ご紹介するのは、儒教、そして「論語」で知られる思想家、孔子の教えに触れることのできる作品です。「孫子の兵法」など、主に戦争からの教訓を教えるものを題材にするのとは異なり、孔子の教えを題材にしたこの作品では、もっとおだやかに時間が流れる作品だと思っていました。孔子には、生きているときに3500人の弟子がいたそうです。だから、私たちが想像するような教室での先生生徒のような雰囲気で時間の流れる作品だと思っていたのです。ですが、実際は違いました。孔子が生きたのは、今から2500年前。春秋戦国時代です。中国を舞台に多くの戦乱が繰り広げられた時代です。孔子は、諸国の覇権争いが絶えず、制度が崩れ、実力主義になってきた時代に、あえて礼を重んじ、徳による政治をしようと試みました。背景に、戦乱の世の中だからこそ孔子の思想が求められた部分があったので、この作品では戦争のシーンもかなりたくさんでてきます。そして嫉妬に満ちた内政の様子はかなり壮絶です。多くの名言・格言を生み、現代の道徳の基礎を築いたと言われる孔子は、波乱に満ちた生涯を送ったのだと知りました。

ざっくり説明すると(*^^*)

今から2500年前、紀元前501年の中国。晋・斉・楚の大国3国に隣接する小国・魯の国政は、権力を握る三桓と呼ばれる3つの分家により混乱していました。君主・定公(ヤオ・ルー)は安定した国を築くため、徳による政治を理想とする孔子(チョウ・ユンファ)に大司寇の位を授けます。孔子はその期待に応え、内政における権力者の嫉妬の視線を浴びながらも、次々と改革を進めます。殉葬など古くて酷い慣習の撤廃や、新しい礼節の制定に加えて、外交においてもそのカリスマ性を発揮します。巧みな話術と用兵で、斉との同盟条約を無血で締結させるのです!孔子の非凡な才能は各国に伝わり、他国の為政者は次々と孔子に関心を寄せ、孔子と組みたいと考えます。なかでも衛の色好みの君主・霊公の妻で実質的な権力者である絶世の美女・南子(ジョウ・シュン)は孔子を気に入り、自国に引き込もうと試みます。そのようにして、衛や斉からも、孔子を招きたいという書簡が次々と届き、孔子の功績は季孫斯(チェン・ジェンビン)ら三桓も認めるところとなります。そして、紀元前498年、孔子は国相代理の座につきます。孔子は国相代理として、混乱の原因となっていた三桓の影響力を弱めようとひそかに動き出します。しかし、孔子の弟子・公伯寮の密告により、そのことが三桓に知られてしまうのです!!三桓は定公を巧みに味方につけ、孔子から官位をはく奪し、魯から追い出すことに成功します。孔子は家族に惜しまれながらも旅に出ます。その旅には、孔子を慕う弟子たちも同行したが、決して楽なことばかりではありませんでした。

どんな絶体絶命な場面でも、必勝法はある!

「必勝法がある」というと、「ライアーゲーム」の松田翔太さんを思い浮かべるかもしれませんね(笑)孔子を見ていると、どんなに苦しくて絶体絶命の場面でも、必勝法があるんだ!と思わずにはいられません。この作品では、どんなに大きなピンチでも、それを逆手にとって大きなチャンスにしてしまう孔子の才能が光ります。しかも、孔子がすごいのはその頭の回転のはやさだけではなく、肝がすわっているところです。この時代のリスクは、とてつもなく大きく、いつも危険と隣り合わせなんです。君主の主張は絶対で、君主がどんなに間違ったことを言っていたとしても、それをうまくなだめることができずに機嫌を悪くしてしまえば、官位はく奪、最悪の場合、臣下であっても斬首になる可能性があります。例えば君主に進言し、実行した作戦が失敗してしまった場合も、責任をとり斬首になりえます。一方で君主に重用され、昇進すると内政の権力者からの嫉妬があり、足を引っ張られることは日常茶飯事です。さらに他国が自国に攻めてくることを考えると、処罰をこわがってまわりの意見にあわせ、正しい意見を言えないでいることで、自滅の道を歩むことになります。この時代のリスクは、今の時代とは比べものにならないほど大きいのです。最悪の場合が、死、そして国の滅亡ですから。そんなリスクがある中で、国の中で重要な位置につき、進言をつづける孔子の心の強さは想像を絶します。私の生きる時代は、最悪の場合死ぬということは、私の想像する限りでは無いので、孔子からすればほぼリスクフリーです。孔子を見ていて思ったこと。途方もない目標に思えても、「必勝法」を探し、突き進む努力を自分も「したくなる」。

DVD情報

販売元: アミューズソフトエンタテインメント
DVD発売日: 2012/06/22
時間: 125 分
ASIN: B007M815JS

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