ミス首都大2014高井ひろえの読んだ!観た!感じた!
第28回 人に好かれる 自己を売り込む心理学
この本の著者であるエルマー・ホイラーは、1903年生まれ、20世紀半ばに大活躍した歴史的な営業講師・コンサルタントです。10万を超える数のキャッチコピーを分析し、その効果を検証。どんな言葉を発したら相手の心をつかむことができるかを熟知しています。そんな販売話法を5つの法則にまとめた「ホイラーの法則」は有名で、ビジネスマンの間では、バイブルのように扱われているそうです!恐ろしいほどの経験値をもつホイラー自身が、10年以上かけてまとめあげた法則ですから、まさに人の心を言葉で動かしたいと考える方にとっては、方位磁針となるような法則ですね。
また、著者は実際に偉大な成功者と交流をもったり、フォード、エジソン、チャーチルなどの歴史上の偉人のエピソードなどを取り上げる新聞記者をしていたこともあり、成功するための共通点を身に染みるほど理解しつくしているのです。成功のためには、成功したい分野における専門的なスキルが大切ですが、ホイラーは、それと同等かそれ以上に、「人に好かれる」ことが大切だということを、この本で示しています。
人に好かれる重要性
お仕事は、大きかれ小さかれ、人が運んできてくれます。例えば、趣味で素晴らしいプラネタリウムを作れる人がいるとします。本物みたいな星が無数に輝く世界を、瞬時に演出することができる、夢のようなプラネタリウムです。そして、この機械を売りたいと考えたとします。ですが売るようなつてを持っていない場合、どうすればいいでしょうか。ネットで紹介する場合には、「人の心をつかむような」言葉や映像を選ぶ必要がありますね。その機械を世間にひろく知らせてくれそうな人に出会った場合、その人に自分自身も好かれなければ紹介はしてもらえませんよね。嫌いな人の製品の紹介はしたくないですから。このように、「人に好かれる」ことは、仕事上でも、とても大切なのです。
「人間」を対象に法則をつくることの難しさを乗り越えた、驚異的観察力
ですが、人は機械ではなく感情があり、規則的な行動をするわけではないので、その「人」に好かれるめの教えを法則してまとめあげ、しかも誰もが納得できる内容なので・・・ホイラーという人物は、想像を絶する鋭い観察力をもっていると思います。この本を見ていると人間も動物なんだなあ・・・と思わされます。この本で描かれるような行動をする人に接し、自分を対象にそうされたら、この人のために何とか動きたいと思わずにはいられないでしょう。人に好かれるかどうかは、性格の良い悪いとかでは無く、知っているか知っていないかなのではないかとさえ思いました。だとしたら、人の中で自分が生きている限り、人間という動物をちゃんと知らないと思い通りにはいかないなあ、と思いました。
自分の行動するための軸が強化される一冊
まだまだ未熟な自分の少ない経験から、「こうすると嫌われる。こうすると仲良くなれる。」とうすうす気づいている部分があると信じていますが、やっぱり迷いがありました。ですが、この本を読むことで、自分の中の好かれるルールがクリアになったり、間違っていたことがわかり改めて猛反省したり・・・と、自分の中の軸がすこし強くなった気がしました。特に私は思春期に、天然といわれることもあり(この前も買ったばかりのキーボードを、雑貨屋に置き去りにしてお騒がせました泣)、人とちがうことに心の底から悩んでいました。人との関わりも、今よりはるかに不器用だったと思います。コンプレックスがあったからか圧倒的に自己主張しない性格でした。がむしゃらに改善しようと行動していましたが、この本を読み、人との関わりには、改善の努力の方向性がすでに示されているのだなあと感じました。「この軸に沿っていればいいんだ!」と安心する感じです。そして、思春期に、、、登山するために、ちゃんと道があるのに、自分はあのときロッククライミングしていたんだなあと思いました(-◇-;)(笑)ロッククライミングでできた傷は、何の役にも立たなさそうですが、実はそうではないということも、この本で書かれています。すごく大事なことだと思うので、また紹介いたしますね!
とても読みやすく深い学びを与えてくれるこの本、そういう悩みを抱えている方にも読んでいただきたいです。今になって同窓会で話すと、思春期にはみんな、それぞれ自身のことについて、え?!と思うようなことで悩んでいたみたいだったので、いっそのこと授業でこの本を紹介して欲してかったなあとまで思いました笑。AMAZONで、内容からするととても安い値段で売っていますが、メディアでもっと取り上げられれば、爆発的に売れ、値段も高騰するかもしれません。
(本情報)
人に好かれる―自己を売り込む心理学
エルマー・ホイラー(著), 中原 周作(翻訳)
実務教育出版
¥1236(税込み)
単行本:327ページ
1971年4月25日 初版