ミス首都大2014高井ひろえの読んだ!観た!感じた!
第29回 人に好かれる 自己を売り込む心理学【続編】
エルマー・ホイラー著の本作。一生そばに置いておき、そして、この教えが血肉となるまで読み続けたいと思う1冊です。(著者や、この本の概要については第28回を参照してください)人の中で生きていく私たちにとって、永遠の課題。「人に好かれる」こと。好かれたいと思う人にどう接すればうまくいくのかが、経験談やわかりやすい例を元に説明されています。ですが、この本では、タイトルからは想像もつかないような、、少なくとも私にとっては、生きる上で本当に大切なことが書いてあったのです。ホイラーが示したこのことを見つけたとき、私は、宝物を探し当てた気持ちになりました。
「私は、ずっとこの文章に出会いたかった。。。。」
もしかしたら、この文章に出会い、命を捨てることをとどまった人もいるかもしれないぞ。そう思うほどでした。
コンプレックスが自分にしかない宝物になる
「自己を売り込む心理学」ということで、自分をどういうイメージでまわりに受け取ってもらうか、という話がでてきます。そこで、自分ってどういう人間なんだろう?と考えた時、いいところもあれば、人より劣っているなあ、と思うところもあっておかしくないです。そして、その劣等感について、次のように書かれています。
「第6章 劣等感とその処方箋
人には、自分の自我を高めるいろいろな方法があるものだ。ーエルザ・マックスウェルは鉄道線路沿いの貧民窟で生まれた。そして小さい時、新しいパーティ・ドレスを持っていなくて、パーティに彼女を呼ばなかった金持の少女にひどくばかにされたことから、激しい劣等感をもつようになった。ーそれに発奮して、世界で最もすぐれたパーティの企画者になったのである。-----自然はこういった人たちに親切ではなかったのだが、自然はまた彼らに、自然のハンディキャップを克服する意欲も用意してくれたのである。---自然は彼らに勝つ意思を与えたのである。」
自分の経験を振り返り
私は、思春期に、あまり自己主張をしない性格でした。筆箱でさえ、派手な色だと、自分に合わないからと思って、地味な色のものを選んでいた記憶があります。ちっちゃなわがままさえも言えなくて、普通に会話している友達がどれだけうらやましく思えたかわかりません。周りの人みんなが、私の憧れの存在でした。今思うと、本当に窮屈ですよね(>_<)ですが、そのおかげ(?)で、誰に対しても敬意をもって接する事ができていると、ある日指摘され、気づきました。そして、将来は言葉のプロフェッショナルになって、言葉でだれかに元気になってもらえるような大人になるんだという、漠然としていますがちゃんと目標をもって毎日行動することができました。私自身も、この本で紹介されるような、劣等感を勝つ意思に変えた物語の主人公の1人になれるよう、これからも努力しようと、涙ぐみながら思いました。
何度読んでも、新しい学びがある
この本を1度読むだけで身に染み込ませることは、少なくとも私には不可能だと思います。ビジネスマンのバイブルとなるような法則を作りあげ、人という動物について熟知していた歴史的人物の著者です。この本の教えを頭にいれながら、自分自身たくさんの経験を積むことで、やっと分かったり、分からなかったりするのだと思います。私はまだまだ経験が浅いので、この本を読んでいて、ピンとこない場面や教えも、実はありました。ですが、その後、そういった場面にでくわし、大失敗してしまいました。それから再びこの本を読み、初めて、その教えは私の身体の一部になりました。そんなふうに一生をかけて読み続けたい1冊です。
(本情報)
人に好かれる―自己を売り込む心理学
エルマー・ホイラー(著), 中原 周作(翻訳)
実務教育出版
¥1236(税込み)
単行本:327ページ
1971年4月25日 初版