ミス首都大2014高井ひろえの読んだ!観た!感じた!
どれだけ灰まみれでも、最後はみんな幸せになれる?
「シンデレラ」という言葉を聞いて、どんなイメージを持ちますか?透き通るような水色のドレスを身にまとった美女でしょうか。「シンデレラストーリー」という言葉のように、女性の成功を思い浮かべるでしょうか。
実は、「シンデレラ=灰だらけのエラ」という意味のあだ名を意味します。「シンデレラ」の映画で、主人公エラは文字通り灰にまみれるほど、継母と義姉妹にいじめぬかれるのです。
エラは幼い頃に母を失い、父は新たな妻とその娘達を迎えてすぐに事故死します。残されたのは、継母、義姉妹とエラのみ。エラは、自分の部屋を追い出されてほこりだらけの屋根裏でねずみと共に暮らすようになります。そして意地悪な3人に、ベルで呼び出され使用人のように扱われます。靴磨き、洗濯、料理など膨大な量の家事は、エラを休ませることがありません。
しかし、エラは、実の母に教わった「勇気と優しさ」を胸に、ぐっとこらえながら意地悪な3人に従い続けます。そして仲良くなろうと努めるのです。しかしそんなまっすぐさは、意地悪な3人にとって憎たらしいものでした。エラの人格を否定し、けなし、あざけ笑います。さらにはお城での舞踏会に向かおうとするエラに、残酷な仕打ちをします。嗚咽し、泣き崩れるエラ。
しかし、そのとき奇跡が起きるのです。信じられないような魔法の時間を、エラは過ごすのです。
そして、最後には王子様と幸せになります。
子どもにとってのシンデレラ。大人にとってのシンデレラ。
小さい頃の私は、シンデレラの物語は、みんなにあてはまるものだと思っていました。
世界のだれもに必ず奇跡が訪れ、幸せになれると思っていました。エラのようにまっすぐでいれば。。。しかし、大人になるにつれて、現実はそう甘くはないことが分かってきます。
家族のために一生懸命働いていた女性が、嫉妬による酸攻撃により顔を失ったニュース。毎日明るくて、笑顔の可愛かった女の子の死。いろんなことを知ります。まっすぐに生きていれば「シンデレラ」になれることに対して疑問を感じるようになります。
そして、思います。
「シンデレラは夢物語だよ。こんな奇跡は望むまでもない。」
この映画を観て、思うこと
この映画で、感動で思わず鳥肌が立ってしまった場面があります。いじめられて絶望の淵にいたエラの状況が一転!!魔法使いが現れ、舞踏会の準備をし始めるシーンです。かぼちゃの馬車、ドレス、そしてお馴染みガラスの靴までが、たくさんのキラキラする星や風を伴いながら現れるのです。主人公は、潤んだ大きな瞳をキラキラさせながら、「これは夢なの?現実なの?」と言いたいような表情で見つめます。
本当に素敵で、胸の熱くなるシーンです。願ってもなかった奇跡が、目の前で起きているエラ。どれほど素晴らしい気持ちになっていることでしょうか?!エラのドキドキと共に、観客のドキドキもどんどん高まってゆく・・・観客にどっぷり感情移入させる力が、この映画にはあります。
そして、このシーンを観ている人は、自分に置き換えて想像するのです。
「○○みたいな奇跡が起こったら、どんなに素敵で、どんなに心が幸せで溢れるだろう。」
自分では奇跡と思うような素晴らしいことを、子供のようにまっすぐ、疑いなく望むことは、とても素敵なことだと思います。奇跡だから無理だと泣いてばかりいる人より、まず望むことのできる人は、より先を行っていると思うからです。
奇跡を望むことの素晴らしさを、「シンデレラ」は思い出させてくれるのです。
(映画情報)
https://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=011817